
今日は、地の神様(じのかみさま)を「納める」(処分する)ことについて書いていきます。
「納める」といってもいろいろな状況があると思います。その状況ごとに考えていきたいと思います。
また、「地の神様」も神様です。むやみに移動したり、粗末に扱ってはいけません。納める時や、移動するときは神社などに相談して進めた方が良いでしょう。
新しく交換する場合
これは、地の神様の祠(ほこら)が古くなったので、新しく交換する場合です。
新しいものを神社で受けるのであれば、古いものは、そのまま納めてもらえることが出来る場合が多いでしょう。ただし、神社によって対応できるかどうか異なります。事前に電話などで確認すると良いでしょう。
新しいお社は、すでにお祓いしてあるでしょうから、すぐに設置することができます。
家を建て替える場合
家を建て替えるにあたり、地の神様が工事場所にかかってしまうおそれもあります。
そのような時は、一度おさめて、新しい家が完成したら新たに「地の神様」を迎えると良いでしょう。
地の神様の場所をずらせば、工事箇所にかからない場合は、少し移動することを考えられます。
自分たちが住む家が新品なのに、神様の家が古いままではちょっと気が引けますね。新築と同時に祠(ほこら)も新しくした方が、神様もよろこんでくれるはずです。
ただし、代々受け継いできている歴史ある祠の場合は、そのまま継続しておまつりすることをお薦めします。
家を新築したら、祠も新築。
壊れてしまった場合
地の神様は、屋外におまつりしています。ですから直射日光をはじめ、雨や風などさまざまな気象条件にさらされています。
運が悪ければ、シロアリの被害に遭うかもしれません。
屋内であれば、神棚のように何年も持つのが当たり前ですが、自然の風雨にさらされ続けていく内に、壊れてしまうこともあります。
神様のおやしろが壊れたままだと、あまり具合が良くありませんから、古いものを納めて、新しいおやしろを設置するのが良いでしょう。
おやしろが壊れたら古い祠を納めて新しくする。
まつる人がいなくなった場合
これは、代々「地の神様」をまつってきたけれど、その家が空き家になってしまった、後を継ぐ人がいなくなったなどの場合です。
地の神様をまつる(お世話をする)人がいなくなってしまったといことは、そのままでは神様がほったらかしになっている、という状況になります。
そのような状況は、神様にとっても、土地の所有者にとっても都合が良いとはいえません。
すみやかに神社などにお返しするのが良いでしょう。
祀る人がいないなら、地の神様を納める。
購入した土地に地の神様があった場合
これは、土地を購入して「いざ、家を建てよう。」としたら、敷地に以前の所有者がまつった地の神様が残っていた、という場合です。
継続しておまつりしていくべきか、悩むところです。
しかしながら、こういった場合は、地の神様自体がしばらく放置されていた場合が多くあります。
よって、今後どのようにするかは別にして、一度納めるのが良いと思います。
今後、地の神様をおまつりしていくことになったら、そのときに改めてお迎えすれば良いでしょう。
前所有者の地の神様は、一度納める。
地の神様の祠を納める
木製のお社を納める
木で出来た祠(おやしろ)は、お焚き上げ(おたきあげ)することが出来ます。お焚き上げとは、火で燃やしてお祓いすることです。
しかし、ご家庭で行うのは難しいと思いますので、神社に持って行ってお焚き上げをしてもらうと良いでしょう。
ただし、いきなり持ち込んでも神社によっては、対応していないところもあります。事前に確認してから行くと良いでしょう。
石・コンクリート製のお社を納める
石やコンクリートのおやしろは、燃えません。つまりお焚き上げができません。
神社によっては、引き取ってくれるところもあるかもしれませんが、要確認です。
そして、石やコンクリートの祠は雨風で壊れる可能性は低いです。つまりそれでも納める必要が生じたということは、今後まつっていく人がいない、もしくはいなくなるということが考えられます。
ご家庭で行う場合は、次のように行うと良いでしょう。
祠の前で手を合わせて、納めることを神様に伝え、お塩やお酒で清めた後に埋め立て等の処分、という流れになります。詳しい方法は、この後に解説します。
神社にお祓いを依頼する
地の神様をあたらしく設置する、もしくは移動する、納めるなどなど。神様に関することですから、神社にお願いしてお祓いしてほしい、と希望される方もいらっしゃると思います。
そのような時は、どのような事をしたいかを神社に相談すると良いでしょう。
お祓いに来てくれることもあるでしょうし、何かアドバイスをいただける場合もあるでしょう。先方の都合もあるでしょうから、まずは電話等で確認すると良いでしょう。
ご家庭でお祓いする
神社で相談すると、「ご家庭でお清めをして処分してください。」と言われることがあります。
この場合は、やり方をしっかり聞いておくことが大事ですが、うっかり忘れてしまうこともあるでしょう。そういった時は、次のことを参考にしてください。
- 「地の神様」の前で手を合わせて、神様に理由を言って(壊れたから、まつれなくなったから等←ココ大事なところ)納めることを報告する。
- 中におふだがある場合、半紙などの白い紙に包んで神社に納める。
- 祠に酒や塩等をまいて、お清めする。
- 神社に納める、埋め立てに出す等 しかるべき処分をする。
屋敷を守ってもらったありがたい神様です。感謝の心をもって行いましょう。